The Aesthetic Townscape
Travel Scholarship

第13回「街並みの美学」トラベルスカラシップ 結果発表


第13回「街並みの美学」トラベルスカラシップは、8大学大学院より12作品の応募をいただきました。
2018年6月、小林正美審査委員長のもと、東京大学芦原研究室OB、スカラシップ過去受賞者あわせ6名の審査員により審査が行われ、下記2名の方を入賞者に決定いたしました。





【第13回「街並みの美学」トラベルスカラシップ 受賞者】 (受付番号順、敬称略)

■ No.08 筒井 伸 (信州大学大学院工学部建築学科 佐倉弘祐研究室)


■ No.20 谷繁玲央 (東京大学大学院 工学系研究科建築学専攻 加藤道夫研究室)



講評  小林正美審査委員長 (東京大学芦原研究室OB・明治大学教授)

今回の芦原トラベルスカラーシップには、デジタル化による応募システムに切り替えたためか、全体で12作品という若干少ない応募数となったが、例年と同じくそれぞれの内容は多様で優れていたため、審査は多少困難であった。しかし、その中でも、できるだけ幅のある評価基準で多様な作品を選考しようという審査員間の合意がなされた。受賞作品の08番の筒井君の作品「漁村スラムの築キカタ」は、南米エクアドルのチャマンガという漁村を再生させるプロジェクトであるが、「調査→インフラ改善のためのツール開発→フィードバック」というフローが明快であり、ビジョンとプロセスという関係の中で、具体的な構法やセルフビルドにまで言及した解像度の高い提案が高く評価された。20番の谷繁君の作品「住宅構法の美学」は、既存の郊外住宅地で、各ハウスメーカーによる住宅のエレメントを解体、統合することにより、多様な住宅形態をパターンランゲージ的に再構築するというチャレンジングな提案である。痛烈なプレファブ業界批評を含んでいるところは評価できるが、構成論に寄り過ぎて生活のイメージに乏しいという議論もあったが、芦原義信先生の理論にはない、新たな「街並み」の解釈の方向を示すという意味で、受賞に値する評価とした。惜しくも受賞作品とはならなかった01番の伊藤君の作品「OBIGUMO」は東大阪緩衝緑地帯をコミュニティー空間として位置づける意欲的な作品であるが、現在でも緑豊かな帯状敷地内に人工構造物を介入させる方法論に疑問が集中し、残念ながら次点となった。しかし、表現力の豊かな手書きスケッチは高く評価されたことを申し添えておきたい。これらの作品の評価は僅差であったが、来年も多くの作品の応募を期待したい。